こんにちは、yattyuです!
登山の記事、久しぶりです。
以前から行きたくてなかなか行けなかった南アルプスの蝙蝠岳(こうもりだけ , 2865m)へ行きました。
登山をしている人でもあまり知らないのでは?と思うマイナーな山。
蝙蝠 という名前自体も難しいですし。。
この山を目指したのはかれこれ10年以上前、
初めて塩見岳に行った時に見えた蝙蝠岳とその稜線がめっちゃ綺麗で、
いつかあの稜線上を歩いて蝙蝠岳に登りたい! と思ったのがきっかけ。
南アルプスの奥地で秘境感があり、どこからアプローチしても遠いため相応の準備が必要。
私が歩いたのは2026年のお盆休みの連休期間。
それでもすれ違ったのは登りで1人、下りで1人のみ!
当記事ではその計画や準備から逐一紹介していきます。
登山の工程
蝙蝠岳へのアプローチで検討したのが以下の3パターン。
蝙蝠岳へのアプローチ
ルート① :沼平ゲート(静岡県)から二軒小屋まで行き、そこから蝙蝠尾根を登る
ルート② :鳥倉ゲート(長野県)から三伏峠、塩見岳を経由する
ルート③ :新倉 (山梨県)から伝付峠、二軒小屋を経由して蝙蝠尾根を登る
地図に3つのルートを書き込みました。(クリックで拡大できます)

蝙蝠岳は静岡県の北側に突き出た最深部にあるため、山梨県(東側)と長野県(西側)を含め
どこからアプローチしても遠く、チャレンジングな秘境感のある山でもあります。
まず、
ルート① 沼平ゲート(静岡県)からのアプローチ
これは2025年6月に自転車で二軒小屋まで下見した結果、行ける感触を得ています。
その時の事も記事にしていますのでよろしければご覧ください。

登山口まで3時間半、単調な自転車漕ぎがあるものの、他の2ルートよりも体力的にも時間的にも楽だという事が分かっていたので、何もなければこのルートで行くはずでした。
ところが・・・

2025年7月25日に林道が崩れて許可車両以外は通行禁止に。
登山客や、リニア工事の人が一時孤立したというニュースもありました。
南アルプスってこういう場所です。
ルート② 鳥倉ゲートから塩見岳を経由するルートは、
自宅から鳥倉までが車で遠い(4時間半かかる)事と、
蝙蝠尾根は下るのではなく登りたいという個人的な願望があるので没。
ルート③ 新倉 (山梨県)から伝付峠、二軒小屋経由 は、
2023年の4月に伝付峠まで下見ハイクに行っていて、
結論としては「1泊で行くにはしんどい」で終わっています。

日程、自身の体力と荷物、見たい景色を考慮してルート①を選択しました。
ルート概要
YAMAPの記録を元にしたデータは以下のとおり。
ルート:
畑薙ダム(945m) → 二軒小屋ロッジ(1426m) → 蝙蝠岳 (2,865m) ピストン
1日目:登り1355m, 下り147m ※自転車区間を除く
2日目:登り580m, 下り1805m ※自転車区間を除く
※自転車区間 距離27km、標高差461m
体力度:★★★★★
技術度:★★☆☆☆ 滑りやすい箇所多め。
畑薙ダム沿いにある駐車場から登山口付近の二軒小屋ロッジまで27kmの道のりと460mの標高差。
歩けば6時間くらいかかるので、短縮のために自転車を活用します。
行きはほぼ登りなので、10kgの重り(自転車)を460m持ち上げると考えた方が良いかも。
それでも、片道徒歩6時間の道のりが行き3.5時間、帰り1.5時間で往復できるとなればトータル7時間の節約です。
装備と食料
装備と食料は以下の内容で計画。
自分の体以外の重量を合計すると約13kgとなりました。

切り詰めれば10kg切れますが、まだ踏ん張りが効く身体だと思っている40歳。
撮影機材などは無視していただいて、ポイントになるのは飲料です。
計画では蝙蝠岳登山口までの自転車区間(3時間)は1Lの飲料でしのぎ、
稜線上では水は得られないと考え、登山口の沢で3.5L 汲んで上がります。
登山口で汲む水を合わせて最大13kgになるため、序盤でいかに体力消耗せずに温存できるかが今回のポイントになりそうです。
装備全体の写真を撮ったところで、本人以外は何か分からないのでやめます。
食料の中身はコチラ。
おにぎりとパンは当日買うものとして想定で。

・おにぎりは重量の割にエネルギー効率が悪い
・ミックスナッツのエネルギー効率が良い。(ミネラルやビタミンも豊富らしい)
・乾麺も重量あたりのエネルギー効率は悪くない (ただしお湯が必要)
私はお米が好きなので1日目の行動食にコンビニのおにぎりを持って行くことが多いのですが
本当に効率を重視する場合は米以外で考えた方が良いかもしれません。
いざ蝙蝠岳へ
自転車でのアプローチや蝙蝠尾根を登る上でのポイントや注意点も交えつつ振り返ります。
沼平ゲート~二軒小屋 (自転車区間)
二軒小屋は2026年現在、リニア工事の基点になっている事もあってか以前(私が南アルプスに行き始めた2012年頃)と比べて舗装化が進んでいます。一部未舗装路です。
未舗装路は凹凸が激しく、ぬかるみ、水たまり有り。
マウンテンバイクでなくても二軒小屋まで行けるには行けます。
ポイントは、
・林道は涼しい時間帯にやり過ごす
・緩やかな登りでも漕がずに押す
・前輪、後輪ともに泥除けは付ける
・荷物を出来るだけ自転車に載せる (長時間の振動でお尻が痛くなる)
私は振動しても問題ないテントやカッパ、食料などを前カゴに入れました。
電動アシスト付き自転車やe-MTBがあれば最高ですね。
そんな高価なものは持っていないので、根性と計画で乗り切ります。
AM 0:50 沼平ゲート発

出発時間はその後の登山工程次第で調整可能。
誰も居ない真夜中の林道
に抵抗が無ければ、日が出ていない時間に林道区間を終えられる様に計画を組むのが吉です。これは自転車でも徒歩でも同じ事。
真夏の日中の林道歩きは地獄です。
沼平ゲートからは、朝3時や4時くらいなら、早出派の人がチラホラ。
私はAM5時に蝙蝠尾根に取り付きたいと思い、逆算すると出発がAM1時でした
真っ暗のなか移動するのは怖いかも・・・・
と思いますよね。
正直なところ、私もスタート時はいつも怖いです。
ヘッドランプ以外の光源はありません。
孤独と不安で頭の35%くらいが埋まります。
でも不思議な事に、ビクビクしながら30分くらい進んでいると、恐怖にも慣れてくるんです。
シカが居てもヘッドランプを向ければ逃げていきます。
おおよそ1時間に1回、エネルギー補給をしつつ、

様々な山への登山口をスルーしつつ

黙々と二軒小屋へ向かう。
電動アシストの無い自転車を使った場合の、主要ポイントまでの所要時間としては
・畑薙大吊橋…15分
・聖岳登山口…1時間30分
・椹島ロッジ、赤石岳登山口 1時間50分
・二軒小屋 3時間30分~4時間
荷物、自転車の軽さや脚力・体力によってばらつきは有ると思いますが、
聖や赤石なら2時間以内ですので自転車移動も選択肢になり得ますね。
逆に畑薙大吊橋までなら自転車を持ってくるまでもない。(臨時駐車場発ならアリ)
AM 4:30 二軒小屋着

スタートから3時間40分、
暗闇のなか考え事や栄養補給をしながら黙々と進み続けると着きました。
単調な林道はとにかく進むことが大事ですね。
二軒小屋のすぐ先にゲートがあり、この先は自転車も侵入禁止ですので歩きです。

実際、この二軒小屋のゲートのすぐ先で林道が終わるため、
無理に自転車を持って行くメリットもありません。
尾根取付き~徳右衛門岳
続いて徳右衛門岳までの工程。
ルートのポイントは
・尾根上に水場は無い。取り付く前に必要分を汲んでいく。
・ルートは比較的明瞭、要所で赤符あり
・苔むした岩、木の根で滑りやすい箇所が多い
二軒小屋から15分ほど進むと、西俣と東俣の分岐があります。
蝙蝠尾根取り付きは右側(東俣)へ。

AM 5:00 蝙蝠尾根取り付き着

ちゃんとした道標があります。
ここからの急登に備え、しっかり準備しましょう。
道標の反対側には東俣の沢が流れていて水が汲み放題です。

徳右衛門岳の水場は涸れているだろうと想定し、
初日の登り、食事、2日目の行動用で計3.5Lの水を確保。
結果として翌日同じ場所へ戻るまでに、3Lの水を使いました。
取り付き手間には広いスペースがあります。
二軒小屋までの移動だけでも結構疲れるので、日程に余裕がある場合はここで1泊して回復するのもアリです。

取付きの急登は南アルプス南部の典型といいますか、
序盤はキツくて後半優しい、お椀をひっくり返したような形そのもの。

行きは登りで元気だから良いんです。
帰りに疲れた脚で滑り落ちない様に・・・今から心配になる。
6:10 中部電力管理棟 着

急登を1時間(300m)も登った先にある電力会社の施設。
わざわざ此処にこの規模を建てるに至った経緯をぜひ知りたい。(そこまでするか・・・という意味で)

管理棟が標高1699m、徳右衛門岳2599mまでの標高差900m、
ひたすら緩やかな樹林帯の登り、登り、登りです。



徳右衛門岳手前にある水場の標識。
他の人の記録にある、「汲めない」 という情報の真偽を確認してみました。

・・・・
涸れてました。

他の方の記録にもある様に、耳を澄ますとチョロチョロという音だけは聞こえてきます。
恐らく、ガレの下を流れている水もあるのかもしれませんが汲む事はできません。
少なくとも夏に来る場合は水が汲めない事を想定して来ましょう。
雪解け水が豊富な時期なら出ているのかも??
そんなこんなで
AM 10:00 徳右衛門岳 着

徳右衛門岳自体は樹林帯の中です。
尾根取り付きからは5時間、標高差1300mしか歩いて居ないにも関わらず、バテました。
情けない。
極力省エネで進んできたつもりの自転車で案外消耗したのかもしれません。
それと2日分の水が結構重かった。
徳右衛門岳の山頂付近は幕営適地が2か所あり、
山頂のすぐ北側と、さらに20mほど北に行った所。


AM10:15 本日はこれ以上は進めないと判断し、②の方へ幕営しました。
シャリバテ寸前なのと、とにかく眠い(笑)

あとは翌日に備えて、食べて寝てを繰り返すだけです。
2日目 蝙蝠岳登頂 ほか
夜中は雨が降っており、
出発を想定していた2時半ごろにも小雨と濃霧で出発を3時半に遅らせました。
ガスと暗闇のなか徳右衛門岳から北へ1時間ほど進むと「四郎作ノ頭」とよばれるピークに着き、ここでやっと森林限界を抜けます。ガスの薄さから見てじきに晴れるだろうと15分ほど体温を維持しつつ待機しているとガスが薄くなってきました。


5:40 蝙蝠岳着

北側には塩見岳。
塩見に繋がる稜線が美しい。


蝙蝠岳から見て・・・
西側:小河内岳~荒川三山、
北側:塩見、仙丈、
東側:白根三山
どっちをみても3000m級の南アルプスの山々。
山頂には自分だけ。
秘境や陸の孤島とはこの事なのかもしれません。
関東方面は天気が悪いらしく、ご来光はダメでしたが朝のこの時間だけでも晴れてくれたことに感謝です。7:00~8:00頃にはこの付近も雲で覆われてしまいました。
夏の山は朝をどう迎えるかに掛かっていますね。

機会があれば、蝙蝠岳から塩見岳の稜線を繋いでみたいと思いました(余裕をもって)
次回いつ来れるかなー・・・
その他もろもろ、下山途中にて。






色々と観察しながら
10:10 二軒小屋着
徳右衛門岳山頂から2時間40分で下山でした。

冒頭に、滑りやすい場所多め と書いたとおり、
苔むした岩や露出した木の根が多く、
しかも前日の雨のせいもあってか非常に滑りやすく注意が必要でした。
ルート上のコケの多さからも、登山者が少なく荒れていないのか、あるいは日ごろから湿度が高いのかもしれません。
ここからはひたすら自転車での下り。
せっかく無事に下山できても自転車でケガをしては台無しなので、
下りだからと飛ばし過ぎない様に!!
12:00 駐車場着
無事に帰れました。
自転車区間は行き3時間40分、帰り1時間50分です。
道中曇りか雨でも、沼平は大体晴れている南アルプスの7不思議。

帰りは白樺荘へ
沼平を起点に登った場合、帰りは白樺荘へ。

沼平ゲートから車で約10分、ということは市街地からは遠いにも関わらず
日帰り入浴600円で施設も綺麗で、ガッツリ目のごはんも食べれる登山者ご用達の施設です。
皆さん南アルプスで仕上がった、日に焼けたムキムキの御身体
まとめ
1泊2日という制約つきで蝙蝠岳への様々なアプローチを試みた結果、
沼平ゲートから自転車で往復する事ができました。
ルートのポイントとしては、
・相応の準備、計画が必要。
(体力、道具、水、エネルギー補給)
・もともとアクセスの悪い南アルプスの中でも
ずば抜けてアクセスが悪く、それゆえ登山者が圧倒的に少ない。
・尾根上はどちらを見ても南アルプスの秘境感
あとは人が少ないしスマホの電波も届きにくいので、もしもの事が無いように、
何かあっても絶対に帰るという覚悟でしょうか。
全体的に尾根の傾斜が緩いので、冬も登りやすくて超絶綺麗だとおもいます。
それでは!
↓↓↓以下ご参考まで
私が使用しているテント(シェルター)です。
生地は壁も床も10デニール、耐水圧1230mm という事で
耐久性や防水性はモンベルのシングル(マイティドーム)に劣ります。
ただ同サイズで1.4kgに対してこちら680g(テント+ポール)と異常に軽く、とにかく軽さに振り切りたい場合はアリです。
ここは快適性と軽さどちらを取るかで正解はありません。
私はクロスオーバードームの下に建材のタイベックシートを敷いています。破れ対策で。+100グラムですね。

設置もポールを2本通すだけなので、テント場について5分で設置完了できます。
難点は付属のスタッフバッグが小さすぎて2度と入らないので、大き目のジップロックに入れています。



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