ハンターの道⑮ 私のわな猟 ~肉を求めてStep1~

こんにちは、yattyuです。

2025年11月でハンター2シーズン目を迎え、分会長の計らいで
今年から「有害鳥獣駆除」に加えて「指定管理鳥獣捕獲事業」にも参画させて頂くようになり、
狩猟を始める前や狩猟1年目と比べて見える世界が大きく広がりました。

記事を書いている現在、わたしが目標にしているのは、
自力で捕獲した獲物から肉を得て食べることです。 

活きるために食料を自力で得る。 

これは文明社会の中で人が忘れつつある、生物としての活動の本質ではないか?
と思う様になりました。
生きるために食べるし、食べるために生きる。


私もこの記事を書いている時点ではサラリーマンの身ですので、
会社に尽くして得たお金で食糧を買わせて頂いている立場。
農家さん、畜産の方、漁師さんが食べ物を売ってくれなければ、お給料を握りしめて死んでしまいます。

という事で、シリーズ合計3回くらいに分けて、狩猟で食肉を得るための苦労や工夫を書きます。
この記事(Step1)ではまずは獲物を捕獲する事をメインに、
私がわな猟で使っている道具や、方法、コツ、注意点について
僭越ながらハンター2年目の目線で纏めましたのでこれから狩猟、わな猟を始める方の参考になれば幸いです。

  
当記事では肉=シカ・イノシシの肉のことを想定しています。

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わな猟が始めやすい


狩猟をする手段は法律上の分類では3種類あり、多くはわな猟か銃猟でしょう。
猟銃は当ブログでも所持の経緯を掲載したとおり所持するまでが大変ですので、
それほど手間と時間をかけずに始められるわな猟で肉を得る流れを掲載します。

狩猟をする際に支払う狩猟税は、
・第一種銃猟(散弾銃):16,500円
・わな猟:8,200円

狩猟につかう道具では、
・猟銃(1丁):中古で10万円~良い物は100万円とか200万円とか。
・くくり罠:まとめ買いで1セット5000円くらい

 
猟銃は所持する事自体が面倒なんですけど、よほど僻地や過疎地でもない限り安全に撃てる場所も限られており、
盗まれない様に注意したり、理解の無い方に通報されたりと所持と使用に緊張が伴うものです。
その点、わな猟は仕掛けてしまえば家でゴロゴロしていても良いのでタイパは良いと思います。 

わなの中でも、コストや運搬・設置のしやすさを考えると最初はくくり罠かなと思います。
箱わなは運搬に軽トラが必須なのと、それなりの重量物を扱う力が必要。
止め刺しが安全にできますし、運が良ければ複数の獲物が捕れるメリットはあります。
ニュース番組で映るのは箱わなですよね。中でクマが暴れてるアレです。


くくり罠は直径18cmに動物の脚をはめる為に、設置場所を見極めるスキルが必要なのと、
イノシシだと脚や罠がちぎれて飛び掛かってくる可能性もあるという事で、
若干の慣れと止め刺し時に注意が必要です。
 

いずれ箱わなを10個くらい同時に仕掛けるのが夢。

県や地域によっては使える罠の直径に制約がある場合があります。
例えば、クマの錯誤捕獲を回避するために直径12cm以下としている場合があります。


私の仕掛け方

私がわな猟で使用する道具と、仕掛け方を紹介します。

押しバネを使ったくくり罠です。
こんなやつです。狩猟を始めるまでくくり罠を見たことがありませんでした。


仕掛ける場所を探す

これが一番重要。
どんなに巧妙に隠しても、獣が通らない場所に置いては一生掛かりませんよね。
広ーーーい山の中で直径18cmの罠を踏んでもらう必要があるのですから。

川の位置、ヌタ場、フンや足跡、低木の折れ具合などを見て探します。
(肉目線で)イノシシを探す時にとても目印になるのが↓の様に木の下部が白くなったところ。

左下の葉っぱも若干色が白くなっていますね。
これはヌタ場で泥浴びをしたイノシシが木に体を擦り付けた跡です。
↓はヌタ場。イノシシがダニを落とすためにゴロゴロ、ウニウニしたのが分かる様な跡です。
写真のヌタ場は使われたあとに落ち葉が多く積もっているので、少し前に使われたものですね。

ベテランハンターは足跡を見てサイズ、行き来する方向、数がわかるそうです。
まだ私には、ただの地形のデコボコなのか足跡なのかわかりません(笑)


動物が来ているかどうか確認する方法として、エサを撒いておく方法があります。
私は米ぬかを撒いておいて、数日内に食べられていれば何かしら動物が来ている証拠です。

こんもり山型に盛っておくと、変化が分かりやすい。


獣が歩きそうなルートを獣の気持ちになって、
考えて、考えて、考えて、考えて、考えて参ります (流行語より)

この辺りにしようかな。 と決めても実際どこに仕掛ける考えるだけで15分くらい過ぎてしまいます。

お金に余裕がある人は、トレイルカメラを置くのもアリ。
米ぬかは、コイン精米所の裏に回収できる場所があります。
誰かが精米中の場合、その人もぬかを持って帰るつもりかもしれませんので、
「ヌカつかいますかー?」 と 一言声をかけます。

 

決めた場所に仕掛ける

・わなが埋まるサイズの穴をほる

私の場合は深さ5cmくらい。

そこら中、木の根っこや石が埋まっていて、このサイズの穴を掘るのも結構大変です。
足で体重がかけられるスコップを持って行きましょう。
私は最初は庭作業で使う様な、片手で扱う小さいスコップを使ったのですが全く掘れず、2回変更しました。



・わなを置く
↓が罠本体。(とらばさみでは無い)
バネの力で上がっている状態です。

本体と「踏み板」をセットします。

本体に踏み板をセットした状態がこちら。

踏み板の端についている、コの字型の部分によって閉じない様に支える形。
 
そして脚をくくるためのワイヤー。色々な部品の組み合わせで出来ています。


・ワイヤーが届く範囲の、ある程度の太さのある木に巻く

木に巻く金具「シャックル」を落として無くしがちなのと、
獲物が掛かって暴れたり、時間が経つと素手では回らなくなるのは、くくり罠あるある。
シャックルを回すための道具(ペンチ等)があると良いです。

 
・反対側を罠に巻いて、押しバネが縮むまで力いっぱい引っ張る。

力のある人が本気で縮めればバネが完全に塩ビパイプに隠れるかもしれません。
私はしんどいので↓くらいまで縮めてます。


・掘った穴に罠を置いて隠す

落ち葉などを被せ、カモフラージュ。
↓パッと見、どこに罠があるか分かりませんよね。

巧妙に隠す事で、自分で罠を踏んでしまってウンザリする事も。

「ちゃんと機能してたんだ!」と前向きに考えるようにします。


・仕上げ
罠を踏む確率を少しでも上げる小ワザとして、周囲にある枯れ枝や米ぬかを使って誘導してやります。
↓の写真では赤丸の部分に罠を設置していて、
通路の邪魔になる所に木を置くと、当然動物もその木を避けたり跨いで歩きます。
そして米ぬかを狙って跨いだ先に罠があるという罠です。知恵比べですね。


・表示をつける
罠を設置して終わりではなく、狩猟でも有害駆除でも罠に対して表示が必要。
(個人情報ダダ漏れなんですけど) 付けないと違法です。

私の場合、頻繁に書き換える部分は空けて印刷し、雨対策でラミネートをして、
ラミネートの上からマジックで書いて使っています。
登録番号や年度が変わったら除光液でマジックを消して書き換えできます。

有害駆除は3ヶ月毎に登録番号が更新されるため、その都度表示を作ると面倒です。
効率よくいきましょう。

 
1か所仕掛けるだけでも結構手間がかかりますよね。
私の場合、穴掘り~完了まで1か所15~20分くらいです。

わな猟の注意点

銃猟と比べて始め易いわな猟ですが、注意点はありますので、
私が知り得る範囲で記載します。 
 

毎日見て回る

これは法で定められたルールでは無く、狩猟者としての心構えです。
例えば狩猟対象ではない動物(カモシカ等)が掛かっていた場合は逃がさないといけませんし、
狙った獲物だったとしても無駄に傷つけたくないですし、
「見つけた時には死んでいた」では肉目的でも美味しく食べれません。

わなを毎日見て回る、サラリーマンにとっては大変ですよね。
私は狩猟1年目の時は平日に見て回るのが面倒で、土曜日に仕掛けて日曜日に見る。
という非効率な事をやっていた事もあり、1匹も獲れず。

猟果が出る気配が無いのでモチベーションも上がらず、猟期後半は仕掛けにもいかず・・・
 
二年目の現在は、少し本気を出して平日も仕事前に巡回しています。
 

獲って食べたければ平日も見て回るべし!


↓は、せっかく捕獲できたのに見つけた時には亡くなっていたシカ。勿体ない事をしてしまったと反省。


人目に触れる所に仕掛けない

罠の設置はできるだけ人目に付かない所が良いです。
理由は安全のためで、
・わなに掛かったイノシシが興奮して飛びかかってくる
・子どもが触ってケガをする


仮に、ワイヤーの掛かり方が甘かった場合、暴れて外れる事があります。
獲物が大きいとワイヤーがねじ切れる事もあります。
イノシシの場合、関節をちぎって飛んでくる事もあります。

了承を得ずに人の土地 (人の活動がある土地)で仕掛けるのはもちろんダメで、
ベテラン曰く、杉やヒノキ等、植林されている木に仕掛けるのもNGだそうです。

 

わなは人目に付かない場所に設置するべし!


そして罠を設置する様な場所は、下手するとマイナーな山の登山道より人に会いません。
何かあった時のために、猟友会の先輩や家族くらいには、普段行く猟場は共有しておいた方が良いです。

普段行く猟場を誰かに共有しておくべし!

登山と同じですね。

逃がすスキルも大事

狩猟対象や、駆除対象でない動物が掛かってしまった場合、逃がす必要があります。
くくり罠で獲れてほしくない動物が獲れてしまったらどうしたら良いか・・・
 
相手は警戒心MAXの野生動物、生命をかけた反撃が来ることもありますので、
捕殺するより安全に逃がす方が難しいです。

私の場合、小動物であれば軽く気絶させて罠を外します。
カモシカはまだ掛かった事がなく、その時は先輩ハンターを召喚して助けてもらう予定です(汗) 

逃がすことも想定しておくべし!

 

さいごに

私が所属する分会に、わなで年間100頭以上のイノシシを獲る超超超ベテランがいます。
その方はもう年齢80代ですし、猟銃歴60年の分会長も同じく80代でもうすぐ引退だと言っています。

この状況は私の住む町だけは無ないはず。
先輩方が居なくなる前に少しでも多くのノウハウを若手に継承してもらってから辞めてもらわないと
10年後、下手すると5年後(2030~35年頃)には日本中大変な事になると思います。
 

でも個人的には、ピンチはチャンスだと思っています (肉目線)。
 当ブログも私目線のキリトリにはなるのですが初心を忘れず、
狩猟全般に関してできるだけ客観的に、俯瞰的に、簡潔に情報を残していきたいと思います。

Step2 は捕獲した後の事(引き出し、運搬)を書こうと思います。
更新はいつになるやら。。

それでは!


2025年12月8日更新
記事をUPした翌日のパトロールでイノシシが掛かっていました。
見た瞬間、
「マジか・・・(@ロ@;)」
初のイノシシ、自分で仕掛けておきながら想定外だったので、いざ掛かるとバクバクドキドキ。

分会長が来ていただき止め刺し、運搬、解体まで実施いただけました。非常に感謝!

枝肉を持ち帰り、自宅で夜中2時まで慣れない精肉作業でした。
ロース、バラ、ヒレ、モモ×3(弾が当たってしまった脚は食べれず)
全部で13~14kgくらいでしょうか。

捕獲が日曜日で良かった!

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