今年も例に漏れず、富士山へいってきました。
結論としては、初めて痛い思いをしたけどやっぱり最高 でした。
以下レポートします。
最初に…レジャーと遭難
レポートに行く前に少々。
今年2022年は富士山含め、2021年と比べて遭難が大幅に増えたと言われ、
ネットニュースでは資格制にすべきだ とか、救助費用は全額請求すべきだ などの意見がチラホラ。
ただ、安全のためにどこまで自由を規制するかというのは、単に事故件数だけで語るのは
非常に危険だと思います。
“海、山、川、スキー、釣り、キャンプ含めアウトドアアクティビティは全面禁止”
“70歳過ぎたら車の運転は禁止”
“球技、格闘技などの接触を伴うスポーツは禁止”
“ライブ、コンサート、飲み会、ジム、サウナ、カラオケは感染症対策で禁止”
・・・それって生きてて楽しいの?
ってなりますよね。
レジャーによって成り立つ産業もあり、ある程度行動の自由が保障されている日本では、
メリットとリスクのバランスを良く考える必要があります。
より安全に実施してもらうにはどうしたら良いか の目線で、
意識啓蒙と対策を続けて行く方が、より前向きです。
ちなみに2022年の遭難件数の比較対象として、
コロナ禍の2020年、21年と比較して増えた減った、と言うのはあまり意味がありません。
計画と準備
計画はズバリ、
富士宮ルートでご来光を見て帰ってくる 以上!!
ではさすがに味気ないので、事前に考えたことを色々と書きます。
①時期と日程
私は富士山に行く日程は毎年、9月中旬~10月の上旬まで と決めています。
理由は、すいているから。これに尽きます。
初めて富士山に登った時は同じく富士宮ルートで7月の開山期間中だったのですが、
人が多すぎて、すれ違いや追い抜き、追い越されが大変で苦労しました。
それ以来、小屋に泊まる事も買い物をすることもトイレも問題ないので、この時期に行っています。
(なぜか私は、山に来ると大の方が出ません。)
10月中旬以降は、雪対策が必要になってきます。
②時間
仕事終わり金曜日の夜に家を出て、土曜日朝のご来光を見る時間と決めています。
理由は、すいているから (2回目)。
あと富士山と言えども日中は日差しが暑く、水分を消費するので
持って行く水分を軽くする為にも、ガッツリ歩く時は夜行動が良いと思います。
③荷物
行動着以外の荷物は、
・フリース上着
・カッパ上下
・ヘッドランプ
・薄手の手袋
・行動食 合計1500kcalくらい
・飲み物 1.5L
宿泊を伴わないので非常にシンプルで、ザック含めて全部で4kg程度です。
行動着は、ペースや風の強さ次第ですが夜でも長袖1枚で大丈夫です。
④天気
天気予報では台風が近づいています。結構強いやつみたいです。
ヤマテンの予報では17日のお昼くらいまでは影響なさそう。
GPV気象予報で雲量と雨量をチェックすると、
こちらも富士山のあたりは17日の午前中はなんとか持ちそう。
日の出時刻は5:20頃で、ご来光が拝めるかどうかは、雲の高さ次第です。
天気が気になって仕事が手に付かない なんてという事は公言しませんけど、
前日の予報を入念にチェックした結果、行く事にしました。
いざ、登山!
晩御飯を食べて5合目の駐車場に着いたのが22:20頃。
1:00頃に登山開始予定なので、2時間半くらい仮眠を取ります。
駐車場には既に20台ほどの車があり、仮眠から起きると上段側のスペースはほぼ
埋まっていました。
5合目から見た富士宮市街の灯り。
※撮影はすべてスマホなのでノイズ、ブレはご容赦ください。
■0:50 5合目スタート
標高2400mの看板から、いよいよ登山開始です。
5合目の公衆トイレはこの看板から少し登った先にあります。
以前は駐車場横にレストハウスがあり、24時間使えるトイレがあったのですが、
21年春の放火事件によって焼けてしまったそうで、今は更地になっていました。
序盤で気を付ける事は、飛ばしすぎないこと。
最初は元気モリモリで無意識にペースが上がってしまいがちです。
体が温まる前で高所でもありますので、
1時間で400m以上の登りペースにならないように、意識してゆっくり歩きましょう。
気温は12~13℃くらい?でも風が弱くて心地良く、
運動による発熱と放熱が釣り合うようにペースと服を調整します。
呼吸は意識的に深めに吸って、深めに吐く。
■2:22 7合目着 (標高3,027m スタートから1時間30分)
順調に7合目まで来ました。
ここでおにぎりを補給。
手探りで選ばれたおにぎり第1号は、鰹おかかでしたー。
7合目辺りまでくると、体が温まってきて、脚にも力がみなぎってきます。
が!ここでも気持ちを抑えて、一定のペースで登り続ける様にします。
心拍数を感じながら、呼吸は深く吸って、深く吐いて(山の呼吸)、
歩幅は極力小さく。
■2:53 8合目着 (スタートから 2時間7分)
8合目から先は、浅間神社の境内になります。
8合目で選ばれたおにぎり第2号は・・・
シーチキンマヨネーズでしたー。
基本的に好きな具しか選んで無いので、何が出てきても引き直しはしません。
このペースだとご来光まで少し早く着きすぎるので、
先に剣ヶ峰に行き、朝日岳方面に行ってご来光を待つことにします。
■3:25 9合目着 (標高3,460m スタートから2時間35分)
一定のペースを維持しつつ、順調に9合目まで来ました。
暑すぎず寒すぎず、気候的には最高です。
9合目で選ばれたおにぎり第3号は・・・
辛子明太子でしたー。撮影前に袋破いちゃった。
■3:48 9合5勺着 (標高3,540m スタートから 3時間)
9合5勺から上の登山道は工事中との事で、閉鎖されていました。
私は剣ヶ峰に先に行く事にしたので、登山道からブル道へルートを移します。
下山は登山道側からおりてきましたが、どちらでも行けます。
■4:30 剣ヶ峰着 (標高 3,776m スタートから3時間40分)
9合5勺を過ぎると、さすがに酸素が薄いなーと感じます。
それでもやる事は変わらず、
止まらずに一定のペースで
心拍数を感じながら、深く吸って深く吐いて(山の呼吸)、
歩幅は極力小さく。
剣ヶ峰直下の坂は斜度がきつくて砂地なので、
ここばかりはトレッキングポールがあれば楽だったかなと思います。
「もう気分最高!!」と書かれた標柱にスリスリして、ご来光を拝むために朝日岳方面に向かいます。
東の空が徐々に明るくなってきます。
もうすぐ・・・
■5:20 ご来光
おはようございます!赤い赤い。
太陽のエネルギーをひしひしと感じる瞬間であります。
日の赤さ、空のグラデーションと雲海の美しさで、
一緒にご来光を迎えた方々からも感嘆の声が上がっていました。
また来年も来ます!
下山とケガ!!
登頂と最高のご来光を拝むことが出来たので、後は帰るのみ。
この天気が午後には崩れていくとは思えないくらいの晴れ具合です。
■6:51 5合目帰還 (スタートから6時間)
無事に帰って来れた と言えればよかったのですが、無事ではありませんでした!!
ええ、下山で派手にコケでしまいました。
8合目の小屋を少し下りたくらいの場所です。
自分でも感動するくらい、綺麗にヘッドスライディングしてました。下山で(笑)
↓の写真は富士宮市内のコンビニで、自分で応急処置をした後の写真です。
(処置前の状態はさすがに掲載に堪えませんので止めておきます)
消毒とガーゼのお会計してくれたファミマの定員さんも、
血だらけの私を見て少し引いてました。。ごめんなさい。
帰ってから服を脱ぐと、太ももや胴体にも複数の擦り傷と、左膝打撲。
手を突いたおかげで顔は奇跡的に無事でした。
登山では下山中にケガや道迷いをしやすいという事は常々言われている事です。
なんでケガをしたのか?
気分が良すぎて、調子に乗って走って下りちゃったから。情けない話です。
私の家族は登山にはネガティブな人間ですので、想定はしていましたが・・・
もうサンドバッグ状態です。
しかし、こんな事でめげていては山は登れません。
反省は必ず次に活かします。
終わりに
残念ながら下山でケガをして、綺麗に終わる事ができなかった富士登山ではありますが、
それを踏まえても行って良かったと思える、魅力のある山です。
よく、富士山は単調でつまらないとか、登る山ではなく見る山 等と言われますが、
毎年20万人以上登るし、私のようなリピーターも居るのも事実で、
感じ方の違いだけだと思います。
あと、今回は小学生くらいと思われるお子様を連れた家族が3組ありました。
登りの途中で追い越したときには、皆元気に挨拶してくれて、凄いなーと思ってたのですが、
私の下山時にすれ違う時には、どの子も疲れたのか、全然元気がありません。
ある子は既に半泣きで動かず、母親と思わしき人が服を着せるのに苛立っています。
こんな状態で富士山が良い思い出になるでしょうか?
私は以前の記事で、登山成功の3要素として「靴」「体力」「天気」を書きました。
しかしそれは、本人が山に登りたいという気持ちがある前提での話。
山は、登りたいというモチベーションが何よりも大切で、それが無ければ誰かに連れていかれても
苦痛でしかないんです。
もしかすると最初はお子さんも興味をもって行きたいと言ったのかもしれませんが、
富士山往復の体力とペース配分は子どもには難しい話です。
日帰りの富士山は、大人でもちゃんとトレーニングが必要なレベルですし。
なので私は家族に対しては子ども含めて、私から山に誘う事はしません。
私は来年も富士山に行くと思います。
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