トレッキングポール いる/いらない論争

こんにちは、yattyuです。

今回は登山やハイキングでトレッキングポールを使うかどうかについて。
これは登山者の間でもかなり意見が分かれる部分です。
基本的に個人の趣味なので正解は無く好きにすれば良いのですが、買おうかどうか迷っている方の参考になればと思います。

先に私の個人的な考えを書きますと、
基本的には不要、条件によっては必要
です。

これまで南アルプスを中心に北アルプスや富士山などを登ってきた経験を元に、
使う事によるメリットとデメリットの比較しました。
上記のとおり私は不要派なので、自然とデメリットに考える項目が多くなります(笑)

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メリット

まず、トレッキングポールを使うメリットとしては

① 脚力を補える
② バランスを取ったり、転倒を防ぐことができる


①脚力を補える

脚力を補うのはポールの目的そのものですね。
本格的に歩き始めたばかりで脚力に不安がある場合には、ポールを使う事で腕の力が加わって推進力をプラスすることができますし、脚の筋肉へのダメージを分散する事ができます。
私も初めてトレッキングポールを使った時には、スイスイ登れて「何で今まで使わなかったんだろう」と後悔したくらいです。


② バランスを取ったり、転倒を防ぐことができる

トレッキングポールの扱いに慣れるとバランスが取りやすくなりますし、
浮石などでヒヤリとした時に、転倒を未然に防ぐことができます。
2足歩行の人間にプラス1本~2本、足が増える様なものですから安定感が増すのも分かります。

デメリット

次にデメリットです。
①重くなる
②気を使う
③邪魔になる場合もある
④植生を傷つけるという噂

①重くなる

メリットに書いた脚力を補う代償として、トータルの重量は重くなります。
重くなる分、消費するエネルギーは増えるので、「脚が楽になった」と思っても体感できないレベルでeエネルギーは余分に消耗しているんですね。

トレッキングポールの重量をいくつか見てみます。
材質はアルミとカーボンの2種類が主流でありまして、
例えばLEKIのマカルーライトASというアルミ製のポールは2本で538g

カーボン製では、Black DiamondのディスタンスカーボンFLZ2本で342g

アルミとカーボンを比較すると、
アルミ:重い、折れにくい、安い
カーボン:軽い、折れやすい、高い

それぞれの価格をどう見るか、340g~540gという重量をどう見るかですが、
持って上がる重量が増えるのは事実です。

②気をつかう

使う道具を増やすという事は、それだけ扱うための集中力を分散します。
歩きながら「どこに足を置くか」に加えて、「どこにポールの先を置くか」という事も常時考え続けます。歩き続ける限り、無意識ですが1歩1歩、目で見て考えて判断しているんですね。

ポールの有り/無しについて全く同じ工程を、同じタイミングで比較した訳では無いのであくまで予想ですが、7~8時間歩いた後のメンタル的な消耗度は結構違うのではと思います。
同じ距離でも4万歩、つまり4万回余分に置き場を考えるとなると、無意識の世界でも結構なダメージになると思いませんか。

脳トレも目的である場合は否定しません。


③邪魔になる場合もある

例えば手を使うような岩場や、一人ギリギリ歩けるくらいの幅しかない道ではポールは役に立たないどころか邪魔になります。斜面をトラバースするような場所は往々にして幅が狭く、足を置くだけでギリギリの幅しかない所が結構あるんです。

そんな時は片手にまとめて持つか、場合によっては一旦ザックを下ろして、ポールを収納します。
そしてまた使える環境になったら取り出して適度な長さを調整する。

岩場ではポールは役に立たない

ザックによっては、背負ったままポール引っ掛ける事ができる機能がある物もあります。
が、あくまで一時しのぎですので、体の前面にポールがある状態は動きやすくは無いでしょう。

朝イチ出発する時も、「今日ポールを使うかどうか」考えて使わないならザックに収納する、使うなら適度な長さに調整するっていう一連の作業自体が無駄に思えてしまいます。
ポールの出し入れも1回だけなら別に何でもない作業です。ただ、【①気を使う】でも書いた通り1日に何度も何度も繰り返す事で、時間とメンタルのロスは蓄積します。

岩場からポールを投げ捨てたくなった事は何度もあります

④植生を傷つける という噂

これは私があまり感じたことは無いので噂程度の話ですが、ポールを突く範囲は歩幅よりも横に広くなるのでコケなどの植生を余分に傷つける事は考えられます。
車で何100kmも走ってガソリンを燃やして山に向かっている時点で自然をどうこう言う資格はないのですが、必要以上に傷つけるのは避けたいですね。

トレッキングポールが活きると思う場面

条件によって活きると思うのは2つあって、
1つは長期縦走等で荷物がメチャメチャ重いときです。

今どき30kgを背負う人はレアだと思いますが、目安として15kg~20kgを超えてくると
一般的な週末ハイカーが脚力だけで登るのは、脚への負担が大きすぎると思います。全体の重量に対するポールの重量比率も下がるので、腕力で補えるなら多少の面倒さがあってもメリットは大きくなりますね。
長期の場合、全行程分の食料を全て持って行くと重量の大半は食料になるので、山小屋を活用する事である程度減らす事ができます。
週末の1泊ならテント泊装備(テント、寝袋、調理器具、食料燃料など)一式を背負っても10kgチョイです。切り詰めれば10kg切れるので、1~2泊程度の山行ならポールは無くても大丈夫です。

お酒を大量に持つ、土鍋を担いで上がる、超望遠レンズと三脚も必要 など例外あり

2つ目は雪山でラッセルする時。
こればっかりはポールがないと話になりませんがここでは割愛します。

まとめ

これまでトレッキングポールを使う登山、使わない登山をしてきた結果、
“基本的に持たない” 登り方に至りました。

脚力や山歩きに不安があるときは使ってみたくなる気持ちはとても分かります。
ただ私としては脚をサポートできるメリットは感じつつも、デメリットに感じる部分が大きすぎたため、現在ではポールが必要ない位に事前にトレーニングと減量をしてから本番の山に向かう様にしています。
そうする事で体力的にも余裕ができて、余分な荷物も減らせるという一石二鳥になります。

不安があると重装備になって機動力が落ちる点では、登山靴のハイカット or ローカットの選択と通ずる部分があります。


ただ、これも自分で体感してみないと分からない事だと思いますので、近くに貸してくれる方が居たら借りてみると良いです。持ち手を変えながらポールを1本だけ使うという方法もあります。
要は山を楽しめれば良いので、より多く楽しめる方法やスタイルに合った登り方を模索し続けていきましょう。

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