登山の大事な要素 体力①

こんにちは!yattyuです。

これから登山を始めたい、あるいはより高い山へステップアップしたい方が、
どれくらいの体力があれば、少しでも楽に登るにはどうしたらよいのか??
「体力」をテーマに、私の経験や調べた情報を元に、考えたいと思います。 

引用:いらすとや

この「体力」というのが先日「山と靴」という記事で紹介した
快適に、楽しく登山をするために重要な3つの要素のうちの1つであり、
3つの要素の中でも最も重要だと考えています。
 ※大事なテーマで沢山書いていると長くなってしまいましたので、2回に分けます。

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登山の運動強度

そもそも登山ってどれくらいハードなスポーツなのか。
当然、持っていく荷物の重さや標高差、行動時間等によって変わってきますよね。
様々な日常活動やスポーツ活動に対して、どらくらい身体に負荷がかかっているのかを
METs(メッツ)という数字で比較することができます。
メッツは国立健康・栄養研究所 が整理しています。
座って安静にしている状態が1メッツです。

1MET=3.5mL/(kg・分)の酸素摂取量 という定義(※参考リンク)だそうなので、
人間の酸素摂取量の測定を元に算出しているのであれば、信頼できそうな数字です。

メッツ表には人間のありとあらゆる活動がPDF50ページに渡って網羅されており、
その中からいくつか抜粋します。
算出目的は分かりませんけど、宗教活動なんていうメッツもあります。 
       【下表:メッツ表より抜粋】

荷物の重さによってメッツ値は異なるものの、仮に10kg以上の荷物であれば
サッカーやテニスよりもしんどい、水泳クロールと同じくらいの運動強度となります。
「あれ、クロールなら俺もできるよ?そんなにしんどくないけど??」
って思った方、ちがうんです

2000mを超える山に行くと、登りだけで6~7時間歩くことは珍しくありません。
休憩を挟んで良いとして、6時間クロールできますか。
事前のトレーニングもなしに、6時間サッカーやテニスできますか。という事です。
そもそも平地で6時間歩くことすら無理ですよね。脚がつってしまいます。
もちろん、登ったら下りもあります
多くの場合、遭難は疲労が溜まった下りで発生します。
 ※遭難に関しては、別で取り上げたいと思います。
十分なトレーニングなしに山に行く危険さが、METsだけでもわかるような気がしますね。
 

登山の消費カロリー

運動強度を元に、消費カロリーが計算できます。

消費カロリーの計算方法
 [メッツ] × [運動時間(h)] × [体重(kg)] × [1.05]=消費エネルギー(kcal)

この計算式を元にすると、体重60kg、70kg、80kgの場合の”1時間あたり”の消費エネルギーは
以下の様になります。 

1時間あたりの消費エネルギー [kcal]

仮に日帰りを想定したメッツ7.7で、6時間運動した場合の消費エネルギーは以下です。

7.7メッツで6時間運動した場合の消費エネルギー[kcal]

私の体重は72kgなので、6時間の登山で約3500kcal
テント泊装備(8.3メッツ)で10時間歩くと、6200kcalという恐ろしい消費エネルギーになります。
 
これに人間の生存に必要な基礎代謝量を足します。
基礎代謝量は性別、年齢、身長や多重によって異なりますので、
私の場合(男、36歳、180cm、72kg)に当てはめると 1712kcal となりました。
基礎代謝量はこちらのサイトを参考にしました。
3500kcalと基礎代謝1712kcalを足し算すると合計で5212kcal。

これだけ膨大なエネルギーを必要とするので、計画的にエネルギー補給をしないと
間違いなく途中でガス欠になります。
(いわゆるシャリバテ)
運動を始めると、食事以外の体脂肪からもエネルギー供給が行われますが、脂肪の分解速度よりも
消耗のほうが早いので間に合いません。

ガス欠になると、明らかに足が上がらなくなるので、すぐに分かります。
そして一度そんな状態になると、少し(1~2時間)休憩したくらいではまともに動けるまで回復せず、
その日の行動はもうおしまいです。
 
ではエネルギー補給や事前のトレーニングをどうしたらいいのか?
次回に続きます。

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