南アルプスの魅力

こんにちは、yattyuです。
南アルプスのイメージって一般的にどうなんでしょうか?
 
「南アルプスの天然水」は有名ですし、最近はリニア工事でも南アルプスの下を通るかどうかで
話題になっていますが、そこにある山の事は登山しない方はもちろん、
近隣県外の方であれば、ヤマ屋でもあまりイメージ無いかもしれません。
かく言う私も26才まで兵庫で過ごしており、静岡に来るまでは
南アルプスについて何一つイメージできませんでした。

ここではあまり南アルプスに馴染みの無い方に、
南アルプスの魅力を少しでも知って頂き、登山に行かれる際の参考にしていただければ幸いです

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大きくてもマイナーな山域

北アルプスなら「白馬」「五竜」「立山」「ヤリ」「ツルギ」「穂高」「涸沢」「上高地」・・・

夏の観光はもちろん、冬もスキー場や雪の大谷などの賑わいはTVでも見ます。
それに対して南アルプスはどうでしょうか。
スキー場無し、ロープウェイも無し、TVでも見た事ある?っていうレベル。
メディアへの露出が少なく、「山の名前を一つもしらない」という方もあるかもしれません。

特徴(1) 登山口が遠い

家から登山口までの距離です。
静岡県に住む私ですら遠いと思います。
車の運転が好きではない人からすると、アクセスの悪さだけでマイナス要素かもしれませんね。
 (私は延々と続く林道の運転が好きです)

以下は、最寄りの高速ICからメジャーな登山口までの、車での所要時間の例です。

①畑薙ダム:聖岳、赤石岳など南アルプス南部の玄関口
 新東名高速 島田金谷ICから一般道を2時間12分

②奈良田:主に北岳、間ノ岳、農鳥岳 への玄関口
 中央道双葉 JCTから 1時間10分
 新東名清水JCTから1時間17分
  ※奈良田は2021年に中部横断自動車道というバイパスが開通して、
   これでも随分アクセスがよくなりました。 

③鳥倉登山口:主に塩見岳へ行く人の登山口
 中央道松川ICから1時間25分

上記のアクセス時間は平日深夜23時のGoogleマップでの検索結果です。
もちろん、自宅からだと上に最寄りICまでの移動時間がプラスされます。
仮に東海・中部地方に住んでいたとしても、登山口までたどり着くための運転だけで、結構疲れます。

特徴(2) 登山口の標高が低い (標高差が大きい)

その山のしんどさを図る指標として、標高差があります。
仮に標高が高い山でも、スタート地点の標高が高ければそれほどしんどくありません。

例えば、日本一高い富士山(3776m)の静岡県側の富士宮の登山口は標高2400mあるので、
実際に脚で登るのは1400m弱です。
岐阜の御嶽山(3063m)はおんたけ2240側の登山口は2200mあるので、標高差は800mしかない
事になります。
 
では、南アルプスの登山口と標高差はどの程度でしょうか。

①畑薙ダム  標高945m   …聖岳までの標高差2060m
②奈良田温泉 標高820m …北岳までの標高差2370m

その他にも、
甲斐駒ヶ岳の登山口である尾白川渓谷は 標高900m …甲斐駒ヶ岳までの標高差2060m
といった形で、標高1000m未満の登山口が多いです。
登山口の標高が1000m無く、そこから3000mの山に登るという事は、
必然的に2000m以上の標高差を登る必要があります。

過去、奈良田温泉をスタートして農鳥岳、間ノ岳を経由して北岳に向かった際は、
農鳥岳へのエンドレス登りに圧倒されました。
その分、達成感は大きいのですが。

奈良田からの道中。延々と続く登り。

ちなみに、北アルプスの登山口で有名な所では下記の通り。
・上高地  標高1500m  …槍ヶ岳までの標高差1600m
・中房温泉 標高1462m  …燕岳までの標高差1300m
・折立   標高1350m  …薬師岳までの標高差1600m
急登と言われる燕岳の合戦尾根も、標高差で見ると実はそれほどでもない事が分かります。 

特徴(3) 山が大きい(遠い)

山なので大きいのは当たり前なんですが、
南アルプスの山の大きさが分かる一つのデータがあります。

日本の標高3000m以上の21座の山のうち、
独立峰の富士山と御岳山を除くと、10座が北アルプス、9座が南アルプスにあります。
 
北アルプスにある10座は
槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳など、
ほぼ横隣に並んでいる山々も有り、8kmの範囲内に集まっているのだそう。

対して南アルプスの9座はと言うと
北の甲斐駒ヶ岳や仙丈ケ岳から、南の聖岳まで、南北30kmに散らばっている事から、
1つ1つの山が遠く離れている事を意味します。
実際、どこかしら南アルプスの3000mの山頂に立った時、
次に目指す山の遠さとアップダウンをみて絶望することもしばしば。

上河内岳(2803m)から見る、お隣の聖岳。 (2021年7月)  隣と言うには遠すぎる。

まとめ

魅力というか、捉え方によってはネガティブに見える事ばかり
書いてしまいましたが、
南アルプスは非常に大きい山がありながらも、北アルプスなど他の山域に比べて
登山者が圧倒的に少なく、すれ違う人も、他の山域と比べてソロの方が多い印象です。

それ故のメリットとして、
自分のペースで歩きやすい(行列がない)、すれ違いが少ない、山小屋が混まない、
静かに歩ける

といった、
他を気にすることなくどっぷり山と自分に向き合える

毎回メチャメチャしんどくて疲れるんですが、あまり頻繁に山に行く機会が持てない私としては、
どうせ行くなら日常とは真反対に振り切った登山ができる南アルプスについつい向かってしまいます。
今後何回かに分け、私が良かったと思う南アルプスのルートを紹介したいと思いますので、
そちらも読んでいただけると幸いです。

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