こんにちは、yattyuです!
2023年夏の南アルプスは7/22~23で三伏峠を起点とした塩見岳と小河内岳に行ってきました。
春の段階では今年下見した転付峠を越え、二軒小屋から蝙蝠尾根を目指す事も考えていたのですが、
転付峠までの登りだけで結構しんどかたのと、
会社の同僚で一人、テントは持っているもののまだ山でテント泊をしたことが無く、
そして南アルプスの登山自体も未経験の方が居たので、
初めての南アルプスに個人的にオススメしたいルートという事で、小河内岳と塩見岳に行ってきました。
↓は春先に下見した転付峠の様子です。
鳥倉登山口~小河内岳は私が12年前に南アルプスで初めて登ったルートであり、
小河内岳の美しさを見て山登りにのめり込んだ場所です。
鳥倉登山口へのアクセスが遠い事以外は、仙丈ケ岳と並んで南アルプスデビューにお勧めの山です。
ちなみに今回写真は歩きを優先して全てスマホで撮影。
先日買ったばかりのSONY α7Cは家に置いて行きました。
デジカメを買うまでは「スマホでも明るい場所ならそこそこ撮れるっしょ」
って思ってたのが、今回撮影した写真を見て「次からは多少無理してもカメラ持ってこ」
って思うくらい、越えられない画質の壁がある事に気づいてしまいました。
そりゃ、写真撮影専門の装置な訳ですから当然と言えば当然ですが、
ド素人の私が見ても愕然とするレベルだったという話です。
早速レポートしていきます。
概要
登山口:鳥倉ゲート (標高1650m)
宿泊:三伏峠小屋テント泊 (標高2615m)
小河内岳:標高2802m、塩見岳:標高3052m)
体力度:★★★★☆ 塩見小屋泊であれば★★★☆☆
技術度:★★☆☆☆ 塩見岳で手を使う箇所もあるが滑落リスクは低め。
鳥倉ゲートは長野県大鹿村経由のアクセスで、中央道松川ICからも少し距離があるので、
車でゲートに辿り着くまでで結構しんどいのです。
個人的な印象では、鳥倉ゲートは主に100名山の塩見岳に行く人が起点にするところで、
他の山を周回するには登山ルートが組みづらく、塩見岳以外に行く人はかなり時間にゆとりがある方かと思います。
あるいは松川から登山口にバスが出ているので、バスでアクセスすれば
南アルプスをザックリ半分くらい縦走で歩き切る というプランも可能です。
鳥倉ゲートの登山口で既に標高が1600m以上あるので、
テントを担ぐのは三伏峠(2600m)まで1000m登るだけでよく、南アルプスの中では優しめ。
純粋に塩見岳に行きたいだけであれば、
1日目で塩見小屋まで行ってしまえば2日目に余裕をもって塩見岳の朝を迎える事ができるでしょう。
今回は、私の会社の同僚が山で「初めて山でテント泊をしたかった」という事と、
個人的に小河内岳の景色を見てほしかった という事から三伏峠を起点にダブルピストンとなりました。塩見小屋はテン泊ができませんので。
ゲート~三伏峠
私の住む静岡県西部から鳥倉ゲートまでは高速を使って4時間10分、下道オンリーで4時間30分。
誤差レベルなので行きは下道でいきました。
静岡から飯田・伊那方面へのアクセスは結構悪い。三遠南信道路の完成に期待!
AM0:00 鳥倉ゲート着
第一駐車場は土曜日午前0時の時点で完全に埋まっており、歩いて15分手前の第二駐車場に駐車。
3時半まで仮眠をとり、4時スタートとなりました。
AM4:00 鳥倉第二駐車場 出発
第一駐車場にて登山届を提出し、約1時間の林道歩きです。
この林道はバスが通るためか舗装されており、標高差が少ないので自転車があると大幅に時短できます。
AM5:00頃、鳥倉登山口
小屋はバス停にもなっているんですね。
掲示板には親切な方が落とし物情報や水場情報を書き込んでくれています。
ココヘリの落とし物まで。
そして登山口には7台くらいの自転車がデポしてありました。
行は元気だから良いんですけど、帰りは一刻も早く帰りたいので自転車が欲しくなります。
登山口で休憩を挟んで、登りスタート。
今回のルートでは登山口から1~2時間が一番消耗する部分だと思います。
元気があるからと言って飛ばしすぎるとバテちゃいますね。
ルートの様子は何枚か写真をつけておきます。
結構歩いたつもりが、まだ1/10だった時の残念感。
前を歩く同僚のKさん。
南アルプス自体も初めてという事で、どんな印象を持たれたかなー。
休憩場所のすぐ横に生えていたトゲトゲの植物!
帰って調べるとフジアザミというキク科の植物らしい。
通りづらい場所や崩壊箇所には↓のような木道がかけられています。
湿っていたり泥が付いていると凄く滑るので、下りは特に注意です。
日が差し込んで、森の中が明るくなります。
AM7:00頃 標高2300m付近にて。
ほとけの清水という水場です。まろやかで美味い!
ここまでくると三伏峠まであと少しです。
朝日をうけるコケ。
AM8:00 三伏峠小屋着
ゲートからちょうど4時間、三伏峠小屋につきました。
ほぼコースタイム通りです。
ここを明治時代に伊奈街道として交易ルートが通っていたなんて、
昔の人は本当にタフだったんだと思う。
三伏峠小屋~前小河内岳 ピストン
出来るだけ早く稜線を歩くため、受付をしてすぐにテントを設営。
今回、クロスオーバードームの実践デビューとなります。
シングルウォールでポール2本を通して終わりなので、設営も3分くらいでスピーディー。
小屋の周辺情報は後ほど。
三伏峠小屋のテン場は森に囲まれているので、強風で飛ばされる心配もありません。
周りはこんな感じです。
三伏峠から東に50mほどの場所に分岐があり、右側が小河内岳方面、左が塩見岳方面。
1日目は右側(小河内岳方)へ向かいます。
荷物は水と行動食だけ持って、軽量サブザックでの移動です。
登山者が多いので、道が明瞭ですね。
小河内岳方面に少しいくとお花畑が広がり、癒されます。青空と緑のコントラストも良い。
今って、写真をGoogleに上げると植物名が分かるのでいいですね。
ただ画像処理で背景をボカしちゃっている点にスマホカメラの限界を感じる。
お花畑を抜けると、小河内岳につながる稜線、そしてその向こうには荒川三山の山々。
やっぱり稜線歩きは気持ちいい。
北側には2日目に登る予定の塩見岳。
連峰の一部とは思えないくらい、独立した綺麗な三角です。
AM10:00 前小河内岳(まえおごうちだけ)着
三伏峠から約2時間、前小河内岳まで来ました。
看板はちょっと残念な感じですが、大事なのは景色。
前小河内岳から、小河内岳を見た景色がこちら。
10時の時点で結構雲が湧いてきてしまっていますね。
そう、この小河内岳の景色こそが、私のブログのトップページにも使っている景色なんです。
2012年に初めて南アルプスで訪れ、この景色を見て登山を趣味にする事が決まった場所です。
2012年に来た時のエピソード紹介
・初めての南アルプスとして予定していた聖岳が林道崩落で断念。
・北上して大鹿村までたどり着き、近くにいる村人にどこでもいいから登山口がないか聞いた
→鳥倉登山口があると教えてもらって翌朝行った。
・三伏峠まで辿り着いて、小屋番の方に手ごろな山が無いか聞いた
→小河内岳があると教えてもらって行った。
・小河内岳避難小屋についたものの、バイクに財布を忘れていることに気づいた
→本来有料の温かいお茶を小屋番の方の良心でサービス頂いた。
まだスマホも持ってなかったですし、今考えると無計画でヒドイいきさつではあったのですが、
この経験がなければ山をやってないかもしれないと思うと感慨深い。
若気の至りですね。
ちなみに小河内岳には2013年にも来て、2012年に払えなかった休憩費用を支払いましたよ~。
今年は若干雲行きが怪しいのと、同行者も結構疲れた感じだったので小河内岳までは行かず、
前小河内岳で引き返します。
三伏峠周辺のようす
三伏峠小屋の構え。入ってすぐ左が受付。
ドリンクや食料品の料金を掲載。
ランチタイムに隣の人が食べていたカレーライスがメッチャ美味そうだった!
テレホンカード、売れてるんだろうか。
受付のすぐ隣にある自炊スペース。
6人くらいは同時につかえそうです。
ちなみに私のお昼はアルファ米にレトルトカレーを湯煎してかけて食べます。
アルファ米は、災害時用にストックしたものが賞味期限切れたので、それの有効活用です。
小屋の内部を何枚か。
本棚の奥に雑魚寝スペース。
岳、孤高の人といった定番漫画をはじめ、小説類も沢山あるので時間はつぶせそうです。
8巻まであるはずの「竜馬がゆく」が1巻しかないのが気になる。。
こちらは食堂でしょうか。
ザ、山小屋って感じでいいです。一度普通に小屋泊で泊まってみたい。
小屋のサイトを見た感じ、2階はファミリーやグループで使えそうな個室になっているみたいです。
「女性専用更衣スペース」という看板も見えたので、女性に対する配慮もありそうですね。
トイレは小屋のすぐ横で、100\の利用料を払う事で使えます。
トイレットペーパーも備え付けの物があります。
宿泊やテント泊の人は、料金にトイレ代100\も含まれているので追加で払う必要はありません。
三伏峠小屋の水場は小屋から15分、標高差で50mほど東に下った先にあります。
地図で言うところの、↓の青●があるところ辺り。
恐らく三伏沢と呼ばれる、いずれは大井川に流れ着く沢の源流に当たる部分です。
片道15分という距離、通常時であれば何とも思わない距離ですが、1日行動して疲れ切った体には結構しんどい。その分、水は超うまいです。
テントの中はこんな感じ。
クロスオーバードームは最大2人用で、
荷物を足元にまとめて互い違いに寝れば、ギリ2人って感じです。
水を組んでお昼を食べたあとは、寝たり食べたり飲んだり、朝までのんびりと過ごします。
日が暮れてもガスに覆われることはなく、綺麗な夕方を迎える事ができました。
この日泊まられてた方々みな早くに寝られて、風もなく静かなテン場でした。
その②へつづく・・・
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