これまで気になりつつも後回しになっていた、南アルプス南部の光岳に行ってきましたので、
以下にレポートします。
有名な山ですので、一般的なルート情報や山小屋での写真は多くの情報がありますので、
あくまでわたくしyattyu目線でのレポートです。
この登山の事前計画はコチラ↓↓↓
今回のルート
静岡県の沼平(畑薙ダム)を起点として、茶臼岳を経由して光岳に向かい、
光岳でテント泊後、同じルートを戻るルートです。
光岳の山頂までは行ったものの、光小屋でGPSのログを切っていたせいでログに残りませんでした。
YAMAPの100名山登頂カウントにも入らず!
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今回の登山のポイント
①天気は最高に良かった
②ルート(登山口)選びを間違えた
③限界だと思ってからも、意外に歩ける
④天気のいい日こそ、早出早着が重要(テン場確保)
では、時系列でいきます。
スタートは畑薙ダム横にある沼平。
7/22(金)、仕事を終えて23:30に到着した際には既に車が15台ほど。
少し下の臨時駐車場は6~7割方、埋まっているようでした。
2時間くらいの仮眠を取ります。
AM 1:55 沼平出発
早出にも程がある。
畑薙大吊り橋の約30分の林道歩きです。
雲も月もないお陰で、満天の星空。
畑薙ダムは周囲を山に囲まれて光を出す人工物が一切無いので、普通に肉眼で天の川が見れます。
星に気を取られて、ダムに落ちないように注意しましょう!!
畑薙大吊橋まで自転車で来る方も多いようです。
歩いても30分なので、自転車を持ってくるまでも無いと思います。
聖沢や椹島ロッジまで行くのであれば、自転車があるとそれなりの短縮になります。
(行きは登りなので、自転車で登る分、歩くよりしんどいです)
AM2:30 畑薙大吊橋通過
暗闇の中歩く畑薙大吊橋は、初めての時は凄く怖かった記憶があります。
AM 3:00 ヤレヤレ峠で一服
いつもスタートからヤレヤレ峠まで大体1時間。
丁度いい休憩のタイミングで、栄養補給したり、靴紐を結びなおしたり。
写真はヤレヤレ峠で見つけたキノコ。
ちょっとぼやけてますが、左側のキノコには蟻がビッシリついています。
ネットで調べると恐らくこれは“ドクベニタケ” というキノコで、
胃腸系に強い中毒症状を起こすそうです。
ウソッコ沢小屋までの間に3つ吊り橋があり、
2019年の台風で1号吊橋と3号吊橋が流されて以来、丸太を組んだ簡易の橋であったのが、
しっかりとした橋に架け替えられています。
ここまで重機が入ってこれるんですね。
AM 3:46 ウソッコ沢小屋
2つ目の休憩スポットです。
ウソッコ沢小屋までは基本的に水平移動でそれほど体力の消耗はありません。
ここから先は、本格的な登りが始まるので、しっかり栄養補給します。
キノコその2
恐らく、タマゴテングタケモドキ という名前のキノコ。
幼い時は饅頭形で、成長するとカサが開くそうです。
こちらも強い胃腸系の中毒症状を起こす毒があり、下痢、嘔吐、頭痛などの症状が出るそうです。
AM 5:09 横窪沢小屋着。
2022年も横窪沢小屋の営業はなく、静かです。
沢からの水は引かれており、テントが1張だけありました。
横窪沢小屋以降はシンプルに登りあるのみ。
道は非常に安定していて歩きやすいのと、早く稜線に上がるべくついついペースを
上げがちになるのですが、はやる気持ちを抑えてゆっくり歩きましょう。
森の中を登るので、日が出ても涼しく登れるのが良いところ。
朝日を浴びるベニテングダケ。
これも毒キノコで食べると幻覚を見るそうです。
食べれるキノコってあまり無いんですね。
AM 7:07 茶臼小屋
登り続けたあとの癒しの風景。
ここは常に沢が流れているので、茶臼小屋までの水を持ってくればここで補給できます。
サントリーの濃縮DAKARAと濃縮伊右衛門をここで一部希釈します。
雲一つない、快晴です。
ここで10分ほど休憩して、先をめざします。
茶臼小屋までの登りで、どれだけ体力を温存できているかが、光岳到達のポイント。
茶臼小屋~茶臼岳の稜線上の景色は、南アルプスでも有数の爽快で絶景ポイントだと思います。
ハイマツが覆う手前の明るい稜線と、荒々しい聖岳、上河内岳が対照的。
この稜線に上がって帰るだけでも、十分に達成感と充実感を得られるルートです。
茶臼岳山頂から見た光岳方面。
下の写真の矢印の先端が光岳です。思ったより遠い(笑)
稜線上に上がってしまえばあとはほぼ水平移動だと勝手に思い込んでいたのが、
茶臼岳以降、希望峰、仁田岳、易老岳と、結構アップダウンがあります。
時間はまだ早いので、ゆっくり進むことにします。
仁田岳近くにある、仁田池。
特異な場所にある池ではあるものの、特別感は無いというか、「池があるな」という感じです。
仁田岳は茶臼岳から光岳に向かう途中で、
主稜線から枝分かれした峰になります。(往復約20分)
仁田岳は360°の好展望地です。
道にハイマツが張り出してきて体と擦るので、半そで短パンだと傷だらけになるかも。
仁田岳を出てからは、易老岳含め、延々と樹林帯歩き。
ところどころで地面がぬかるんでいて泥が付くので、
ズボンをあまり汚したくない方はスパッツ装備が良いと思います。
12:05 光小屋着
光岳手前のゴロゴロ岩の斜面を300m程のぼると、やっとこさ光岳に到着。
途中で完全にシャリバテ状態に陥ってからは、ペースを落とし、
100%有酸素運動モードで歩き続けました。
小屋で受付を済ませ、テントを設営。
今シーズンの光小屋は宿泊は完全予約制、テント場は先着順です。
テン泊料金は通常1,000円、この日はハイシーズン加算で1,500円でした。
少し仮眠した後に出てみると、こんな状態に。
光小屋のテン場は2か所あり、それぞれMAX10張くらい行ける感じ。
この日は2か所ともカツカツ状態で埋まり、それでも後から来た方は張りきれず、
別の場所に移動されていました。(どうなったのかは分かりません)
通常、こんなに混むことは無いと小屋の方も言われていたので、この日はレアなケースだったのかもしれません。
混雑した要因としては、同日の北アルプス方面は天気予報が良くなかった事、
前の週の3連休が全国的に天気が良くなかった事があると思います。
「北アルプスの計画を変更して光に来た」という方もいました。
確実に設営するためにも、良い場所を確保するためにも、
やはり12時までには小屋に到着して設営を済ませたいですね。
光小屋の水場は小屋から10分程下った場所にあり、これがまた急斜面で、
疲れ切った体にはキツイ。
光小屋に着く直前の、イザルガ岳の横に沢が流れているので、そこで十分に汲んでから
小屋に着くのが正解の様です。
光岳山頂は小屋から10分ほど。
もともと展望は無いのでガスっててもOK。
翌朝、AM2:30 光小屋出発。
まだ誰も起きていない中、静かにテントを撤収します。
テン場がカツカツになることを想定して、端っこに設営して良かったです。
周りが囲まれているとポールがしまえなくなるので。。
深夜の光岳は濃霧で視界は5m程しかなく、昨日の記憶とYAMAPの地図を頼りに、
茶臼岳方面に向かいます。
正直、GPSのサポート無しではこの時間帯の移動は道に迷って無理ですね。
茶臼岳まで戻ってくれば、あとはひたすら下るのみ。
行動食をかじりならが、来た道を着実に下っていきます。
9:30 畑薙大吊橋に帰還
非常に長い工程だったせいか、心なしか橋が輝いてみえます。
毎度ここを通る時は「無事に帰ってこられて良かったー」と安心できる。
作ったそばから崩れる道路。
南アルプスって本当に脆くて、大雨が降るたびに地形が変わっていくんですよね。
まとめ、反省点など
・光岳登頂を主目的とするのであれば、易老渡スタートが正解。
沼平からはちょっと遠すぎました。ただ、茶臼岳の景色は良い。
・筋力、体力はかなりトレーニングをしていったお陰でなんとかなりましたが、
エネルギー供給面での限界を感じました。
食べて補給しようにも、お腹いっぱいで食べれないので、ある程度余裕を持つには、
行動時間は1日7時間くらいまでがよさそう。
・エネルギーが切れてからも、ペースを落として大き目に呼吸を続けることで、
+3時間~4時間くらいは歩き続けられる事が判明しました。
ただし、エネルギーが切れるとしんどくて景色や会話を楽しめなくなります。
・天気が良い日は登山者も増えるので、天気が良い日ほど早着が必要です。
そして今回の登山で、10年間使い続けたステラリッジテント#3ともお別れです。
今回の様な長距離では重くて大きすぎるので、今後テントは超軽量テントに切り替える予定。
どんなにしんどくても、当面あと20年くらいは、南アルプスで楽しめそうな気がしています。
今回の記録はYAMAPにも上げているので、よろしければもご覧ください。
ルートや時間経過がより詳細にわかります。
光岳(沼平発) 仁田岳、易老岳経由 / yattyuさんの茶臼岳(長野県)・易老岳・仁田岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
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