【南アルプス】おすすめルート③ 荒川三山~赤石岳

静かに、どっぷりと山と向き合える南アルプスにおいて、
独断と偏見で私が自信を持っておすすめできるルートや山の第3弾です。
これまで小河内(おごうち)岳、上河内(かみこうち)岳を紹介しました。

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第3弾は南アルプスの盟主「赤石岳」を含む荒川三山周遊ルートです。
非常にメジャーなルートで多くの雑誌や記事で紹介されていると思いますが、
やっぱり良い山とルートなのでここでも取り上げます。
その理由は、このルートにも天国ゾーンあり、しかも2か所もあるからです。

悪沢岳(3141m)+赤石岳(3120m)
体力度:★★★★★ (2泊3日)椹島ロッジ後泊
技術度:★☆☆☆☆
景色・眺望:★★★★★
登山口:畑薙ダム

 ※体力や技術度は個人の見解です。

ルートのPOINT
・南アルプスの盟主「赤石岳」を歩く
・荒川三山と赤石岳の間にある、大聖寺平が天国
・小赤石岳~赤石岳の天上歩き
・後泊の椹島ロッジも天国

ルートの概要(標高差・所要時間)は、登山アプリYAMAPで登山計画を作成しましたので、
そちらで確認いただけます。
 ※地図の画像をクリックすると私が作成したYAMAPの登山計画にアクセスできます。

YAMAPで作成した登山計画

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ルート概要

南アルプスの登山基地の1つ、椹島(さわらじま)ロッジを起点としたルートです。
荒川三山(荒川東岳、中岳、前岳)、赤石岳を行く、つまり3000m以上の4座かつ100名山を2座
登ることが出来る、南アルプス南部の中核を歩くルートと言っても過言ではありません。
天気が良ければ、ルートのほとんどを絶景の中歩くことが出来ます。
椹島ロッジでの後泊を含め2泊3日で行けるため、お盆や3連休がある週を狙えば、
私の様な週末ハイカーでも行く事ができます。

トータルのアップダウンは2日間で3231mという事でそれなりにありますので、
事前の十分なトレーニングが求められます。
トレーニングに関してはこちらの記事を参考にして頂ければと思います。

登山の大事な要素 体力③ (トレーニング)
それなりの高い山(目安:標高差1000m以上)に行く前に、どれだけトレーニングをしたら良いのか?私yattyu目線で書きます。まだ高い山にチャレンジしたことが無い方や、経験はあるけどしんどい思いをした方に読んでいただければ幸いです。 この記...

駐車場~椹島ロッジ

登山基地である椹島ロッジへは東海フォレストの送迎バスで移動します。
バスの運行状況については特殊東海フォレストのHPを参考ください。

造園緑化から南アルプスのサービス事業まで 特種東海フォレスト (t-forest.com)

畑薙ダム手前にある、夏季臨時駐車場に駐車し、駐車場のすぐ横にバス停があります。
バスに乗るには、東海フォレストの運営する山小屋どれかに1泊する必要があります。
私が行った時は、バスに乗る際に先に3000円位を払い、後から宿泊時の料金から3000円を
差し引いて支払うデポジット形式でした。
「バスだけ乗り逃げは許さんぜよ」 という事ですね。

臨時駐車場前にある、東海フォレストバス停からバスに乗り込む。

なお、畑薙ダム~椹島ロッジは距離にして約20km、標高差200m程あります。
マウンテンバイクで体力に自信のある方やe-MTBをお持ちの方は、
畑薙ダムから自転車で行く事も可能です。
始発のバスに乗ると、9:00くらいに椹島ロッジに到着します。

椹島ロッジに到着したバス

椹島ロッジの様子は後ほど少し紹介します。
1日目は、少しでも早く登るため、椹島ロッジを足早に後にします。

椹島ロッジ~荒川中岳

椹島ロッジから10分ほど北に進むと、千枚岳へ向かう登山口があります。
序盤はひたすら森の中を歩く感じです。

南アルプスならではの、深い森の中を進みます。木漏れ日が綺麗。

千枚小屋までは7枚の看板がガイドしてくれます。

看板の枚数に勇気づけられるか、ガッカリするかは人それぞれ。

千枚小屋までの癒しスポット、駒鳥池。
苔むした趣のある池で、ここにコマドリがやってくるのだとか。

コマドリ池

コースタイム通りのペースで椹島ロッジから約5時間で、千枚小屋(2,610m)に到着します。
椹島ロッジから千枚小屋までの標高差が1,500mほどあるので、
体力に自信の無い方はここでの1泊をお勧めします。
また、千枚小屋以降は荒川小屋まで水を汲める場所が無いため、ここで十分に補給していきましょう。

千枚小屋。通り過ぎただけで中の様子までは見ていません。

千枚小屋を超えると、森林限界を抜けてきます。
東の方面には富士山が顔をのぞかせます。

白根南稜の向こう側に富士山

西にはこれから登る荒川三山が並ぶ。

千枚岳から見た荒川三山

荒川三山の悪沢岳(3141m)山頂までくると、1日目の工程もあとわずか。
悪沢岳から荒川中岳のアップダウンが結構あるので、気合を入れてスパートです。
椹島ロッジから2000m登った後のこのアップダウンなので、結構心を折られました(笑)

悪沢岳から見る荒川中岳。

最後の約200mのアップダウンを終えると、ようやく宿泊地の荒川中岳避難小屋(3,080m)に着きます。

中岳避難小屋は夏季限定の営業(完全予約制)で、
営業期間外は無人の避難小屋として開放されています。
注意点として、中岳避難小屋周辺には水場がありませんので、
ルートによりますが千枚小屋か赤石小屋などで事前に汲んできましょう。
私は2012年に行った際、水が足りずにのどが渇いてよく眠れませんでした。

2012年10月に宿泊した際は貸し切りでした。

南側には南アルプスの盟主「赤石岳(3120m)」が構えます。
2日目の朝早い時間帯に赤石岳に居ようと思うと、1日目に頑張って中岳避難小屋まで来れると、
余裕を持って2日目の行動ができます。

荒川中岳~赤石岳

2日目の朝、荒川中岳~赤石岳がこのルートのハイライトです。

荒川中岳から見る赤石岳

荒川中岳と赤石岳の間には荒川小屋があります。
私が訪れた際は営業期間外で、枯れていなければここで水を汲むことができます。
(この時は既に枯れていましたが、タライに溜まっていた水をすくって沸かしました)

営業期間終了後の静かな荒川小屋

荒川小屋を越えると、この旅の天国ゾーンの時間です
まずは荒川小屋~赤石岳の間にある、大聖寺平という場所。
3000m超の2座に挟まれた穏やかな稜線。凄い解放感です。

大聖寺平の標柱から眺める、荒川中岳
大聖寺平から赤石岳に向かうゆるやかな登り。

美しくて何度も振り返ってしまいます。

大聖寺平と荒川三山を振り返ると泣きそうなくらいに綺麗。

大聖寺平を過ぎると、赤石岳のゾーンに入ります。
赤石岳は、小赤石岳と2つ繋がって1つの山になっていて南北に長いので、
暫しの間、3000mの天上歩きを楽しめます。ここも天国ですね。

小赤石岳から赤石岳へ向かう稜線

赤石岳山頂からは南アルプス南部の眺望と、東には富士山、
山頂直下には赤石避難小屋があります。
営業状況や予約は、東海フォレストの案内をご参考ください。

赤石岳山頂の標柱。南アルプスの中核に立てた感覚になれる。

赤石岳~椹島ロッジ

私が登ったの10月中旬頃には紅葉で彩られ、色鮮やかでした。

紅葉を纏う赤石岳。赤石小屋方面への下山途中にて。

下山途中に赤石小屋(約2500m)があります。私が訪れたときはもう閉じてましたが、
通常約50名が宿泊できるとの事で、南アルプスの中では規模が大きめの小屋です。
枯れていなければ水もここで補給できます。

あとの赤石小屋から椹島ロッジまでは、樹林帯をひたすら下るのみで、
道迷いや技術的に難しい所はありません。

椹島ロッジ

椹島ロッジは、個人的な印象としては北アルプスにある上高地の南アルプスVerという感じです。
特に登山をしないで、椹島ロッジに泊まりに行くだけでも十分に価値があるくらい、
綺麗で静かで綺麗なんです。
私が行った時期がシーズンギリギリだったのもあるかもしませんが、
人も少なくて静かにゆっくりと流れる時間を過ごすことができました。

椹島ロッジのテント場スペース。芝生の手入れも行き届いています。

下の写真はは椹島ロッジにある白籏史郎 山岳写真記念館。
白籏史朗氏は南アルプスを拠点に活動された有名な山岳写真家だそうです。
建物も、周りの植生も綺麗。

館内は木の香りが漂い、非常に綺麗でした。
白籏史朗氏の事や、撮影された南アルプスの美しい写真が大切に掲示されています。

白籏史朗山岳写真記念館の中

椹島ロッジの部屋は、2人~3人で1部屋のイメージでしょうか。
普段の生活だと↓の様な部屋では窮屈に思えるかもしれませんが、
山に来ると、畳と灯りがあって、布団で寝られるだけも幸せに感じられます。
2日間歩いた後は当然、熟睡です。

椹島ロッジの宿泊部屋。

お風呂に入った後は、レストハウス「椹」にて、至福の時間です。
この度の天国ゾーン2回目は、このレストハウス椹での時間でした。

レストハウス椹。生ビールの看板に引き寄せられる。
山を終えたあとのビール。もう言葉は要りません。

まとめ

今回は南アルプス南部の中核を周遊するルートでした。
体力的にはハードな部類になりますが、天気が良ければそのハードさを吹き飛ばすほどの
達成感と絶景を味わう事ができます。
そして何より、特殊東海フォレストのバスによる移動サポートと、
登山基地である椹島ロッジでの後泊ご褒美を楽しむことができ、下山後も楽しめる旅になります。
東海フォレスト様、転職させて下さい。

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