ハンターへの道④ 教習射撃(本編)

こんにちは、yattyuです。

猟銃を持つために避けて通れないステップである教習射撃、
これを2023年11月5日に受講してきましたので体験をレポートします。
私は静岡県で所持許可申請を受ける予定で、袋井クレー射撃場にて散弾銃の教習を受けました。
教習の内容は県や射撃場によって異なる可能性があります。

この記事は↓↓の記事(教習資格認定手続き)の続編になります。

ハンターへの道③ 教習資格認定
こんにちは、yattyuです。最近は山はそこそこに、ハンターへの道を少しづつ登っています。今回は射撃教習 を受ける前の教習資格認定についてです。射撃教習も講習会と同じく避けては通れないステップで、事前の手続きから色々と書きます。射撃教習まで...

狩猟できるまでのステップの図が↓のとおり。

教習射撃を受けるためには、「教習資格認定」を県の公安委員会から頂く必要があり、
教習資格認定を申し込んだのが2023年8月17日
認定を頂いたのが約1か月後の9月19日
そして今回、教習射撃を受けたのが11月5日という事で、
申し込みから教習実施まで実に2カ月半かかってしまいました。

教習資格認定書

教習資格認定~認定までの1か月は警察での書類の確認や身辺調査などでほぼ必須でかかる時間。教習資格認定を受けられれば通常すぐに教習に行けるはずなんですが、
仕事もありなかなか土日に教習を受けられるタイミングがなく、1か月先の予約になった形です。

最寄りの袋井クレー射撃場では、猟期(11月~)の前までは土日は猟友会の射撃大会などで埋まっていたり、指導員の予定が合わずでした。平日に動きやすい人は直ぐに受けられるはずです。

広告

教習資格認定を受けた後の準備

教習資格認定が通ったという連絡を警察から受けると、
平日に警察所に行って認定書を受け取ります。上の写真のやつです。

認定書を受け取ったら、その場で教習の予約と、教習で使う弾を購入するための準備をします。
私の場合、散弾銃の教習射撃が受けられる最寄りの射撃場は袋井クレー射撃場。
静岡県西部の方は大体ここで受けるんじゃないかと思います。

その場で警察署から射撃場に電話で連絡して、教習で使用する弾(サイズと数)を確認しました。
「12番 というサイズの弾が 75個必要」ということが分かり、その場で警察に申請します。そう、弾の購入に際しても申請して許可が必要なんです。
猟銃用火薬類等譲渡許可証 というやつです。
弾の購入だけではなく、弾を自作する人が火薬とか雷管を購入するための許可証も共通なんですね。

猟銃用火薬類等譲渡許可証

この許可証も即日発行されず、翌日以降に受け取りが必要。
2日連続で有休なんて取れないので1週間後くらいに出張ついでに取りに行きました。
教習で弾は絶対使うんだから、教習資格認定と一緒に弾の購入許可も受けられれば良いのに!

狩猟者登録していたり、有害鳥獣駆除に従事する人は”無許可譲受票”という書類を使って、一定数量以内であれば警察の許可なしに購入できることが火薬類取締法で定められています。
頻繁に猟をする人が都度警察の許可をもらうのは非効率ですしね。

ちなみにこの許可証、弾を購入して使った後も、平日に警察署に返しにくる必要があります・・・

弾の購入(教習当日)

教習で使用する弾を最寄りの銃砲店で購入します。
通常の営業時間はAM9時からですが、教習が8時からなので教習がある日は特別に8時から開けて下さるんだそう。

袋井クレー射撃場から一番近いのが伊藤銃砲店さん。射撃場から車で5分くらいの所にあります。
ナビでここを目指して来なければ分からないくらい、住宅街の中にひっそりとあります。

伊藤銃砲店さんの外観

教習用の弾を購入することは事前に連絡しておいたので、準備頂いていました。
1箱25発入りが3箱です。

購入した弾75個

初めて見る本物の弾。
この中にある火薬が爆発して弾が飛び出ると思うと、射撃場に着くまでは怖くて触れませんでした。

箱の中身。ずっしり重い。下手に衝撃を加えない様に慎重に扱う。

射撃場によっては、射撃場で弾の購入ができるところもあるそうです。
使用する弾、数、購入方法は事前に射撃場に確認しておきましょう。

気持ちが高ぶって弾の値段は忘れてしまいましたが、
75発で3,700円位だった気がします。1発50円ですね、弾だけなら思ったほど高くないかも。
ただ、これがスラッグ弾(散弾銃で使う単発で飛ばす弾)とか、ライフル銃の弾となると物によっては
1発で数100円~と跳ね上がるそう。仮に1発100円でも100発撃ったら1万円・・・。
ゴルフの打ちっぱなしなら1球10円位なので、射撃は随分とお高い趣味になります。
ちなみにクレー射撃なら場所台とクレー(お皿)費用も追加でかかります。
お気軽に練習できひんで!

教習射撃 (やっと本番)

3ヶ月前から準備してきた教習射撃がいよいよ始まります。
教習射撃を受ける袋井クレー射撃場はこんな感じ。

写真ではかなり森の中にある様に見えますが、射撃場の周りは割と住宅街です。
道路からの入り口には看板も何もない細い路地を入って行くため、知らないと通り過ぎちゃうかも。いきなり未舗装路になるので、ちょっと不安になりました。Googleマップで行けば普通に駐車場までナビしてくれます。

教習の要領

まずは受付で
・講習修了証 (初心者講習の時にもらったやつ)
・教習資格認定書
・猟銃用火薬類等譲渡許可証

を渡して開始時間を待ちます。

1回の教習では同時に3人までで、教習場に備え付けの上下2連の銃を借りて実施されます。
銃も3本用意されており、その日に使う銃は3人それぞれ固定で決められます。
全体の所要時間はスムーズに進んで3時間くらい。

私が受けた教習の流れは大きく分けて、
①座学 → ②練習その1(25発) → ③テスト(25発) → ④練習その2(25発) の4ステップ。

他県の方のブログを見るとトータル100発撃っている記録もありますが私は75発でした。
不慣れな事ばかりで精神的に疲れるのと、後半は銃の重さのせいかフィジカル的にも上半身の筋力、特に腕が限界でしたので75発で良かったです。
翌日は腕、肩、胸の筋肉がガチガチの筋肉痛になました。

座学

テキストも頂きましたが細かい話は割愛され、教習を安全に実施するための注意事項や、射撃場内のマナーなどがメイン。
「細かい話は現場でやらないと分からない」という事で②練習その1で実際に扱いながら
細かい説明を受けました。
座学の内容は紙芝居形式で非常に年季の入った資料で説明頂きました。

座学の講義で使用された資料。何十年も使われている印象。

練習その1

②練習その1では弾を25発使い、足の置き方、弾の入れ方、構え方、視線、クレーの呼び出し方、
射撃後の動作、脱包(薬莢を取り出す) といった動作の流れをまずは頭で覚えて、
25発撃つ間に少しでも体に叩き込みます。
他の人が指導されている内容も全部聞き漏らしません。
最初に間違えてクセを付けると直らないため、一緒に受けた3人とも、悪い所は逐一徹底的に直されました。教官は一般的に見ると(失礼ですが)コワモテで時に厳しい言い方もされますが、我々の安全や技能向上を想っての指導というのがひしひしと伝わってくるので威圧感や抵抗感は無かったです。

初めての銃と実弾、初めての射撃場、初めてのクレー射撃のため、全てが未知の世界。
1回撃つごとにアドバイスを頂くのですが、一つ直すと前の事を忘れてしまう・・・
何か間違えると大事故に繋がる道具を使っているという緊張感もあって、頭の中はフル回転。
最初のうちは落ち着いてクレーを狙う余裕は無いです。

自動車教習で初めてマニュアル車に乗ったときの感覚に近いかもしれません。

教官からアドバイス頂いた事は色々あるのですが、中でも、
テストではクレーに当てる事よりも、安全の確認や射撃の手順を間違えなく実施することが一番大事。最初から当たるはずがない。
年だから命中したかどうか分かりづらい事もある」

という万が一のフォロー付きのアドバイスが印象的でした。
銃を扱う上では、下手くそな事よりも扱いが危険だったり、射撃場のルールを守れないヤツの方がヤバイっていう事ですね。

テスト(25発)

クレー射撃では5箇所の射台があり、テストでは各射台ごとに5発づつ撃ち、
合計25発中2発がクレーに命中すれば合格との事。
減点要素として例えば射撃時以外に引き金に手をかけてしまったり、安全の確認(射台移動前の脱包確認など)を怠ると減点され、80点を割るとアウト

教習終了時にスコアカードを渡され、テストでのスコアは25発中、11発命中でした。
↓↓がスコアカードです。中段がテストの結果で、「〇」がハズレ、「/」が命中です。

練習も含めてみると、命中数は10→11→9 と割と安定しているように見えるのですが、
例えばテストのスコアでは7発続けて外した後に5発連続で当たったりと、安定感は微塵もありません。
事前に「命中よりも正しい動作をしっかりやることが大事」とは言われつつも、連続で外すと精神的に来ます。
結果的に考査は無事に合格でした。

余談で、テスト開始前にちょっとしたハプニングがありました。
↓↓の写真でおかしな点に気づきますか?



ここです。

拡大します。

そう・・・国の特別天然記念物、カモシカです。
(スマホカメラのため解像度の悪さはご容赦ください。)
射撃場にカモシカが出てくるってどういう事!?

カモシカ: 撃てるもんなら撃ってみろ m9(^Д^)プギャー
っていう事でしょうか。

そもそも山でもそんなに頻繁に見ないし、袋井クレー射撃場は山間部にあるわけでは無いのに、
こんな状況でお目にかかるとは。

射撃場は東名高速袋井IC近く、山奥ではない。むしろ市街地にある。

練習その2

考査が終了し、最後残りの25発は練習としてクレー射撃の手順に則り、
3人が順番にクレーを撃って無事に終える事が出来ました。

前の人が脱包を終えたのを確認してから装填 → 射撃 → 脱包 → 次の人が撃つ
っていう流れです。

ここまで銃を使うと、さすがに動作や手順にも体感できるレベルで慣れてきて、スムーズにこなせるようになりました。
暫くやらないとすぐに忘れてしまうんでしょうけど・・・。

終了後は教習終了証明書を頂く事ができました。

教習でかかるお金

教習射撃の費用は教習終了後に費用を払います。32,000円でした。
場所台、クレー台なども含まれます。

教習射撃に関わる費用としてはこれ以外にも
・弾の購入費用:3,700円くらい
・教習資格認定の申請費用:8,900円 (申請時に警察署で証紙を買って払う)
・教習資格認定を受けるための医師の診断書作成費用:6,000円くらい (病院によって異なる)
火薬譲受許可申請:2,400円 (申請時に警察署で証紙を買って払う)
プラス交通費でざっくり6万円くらいでしょうか。

お金かかりますよねー。

教習を終えて感じたこと

①教習は必要
ルール上必要なんですけど、お金かかるし射撃場遠いし正直めんどくさいなー って思っていました。ただ専門知識を持った人にマンツーマンで正しい使い方を教わる事ってなかなか無いので、私の様に周りに銃を持っている人がいないような人には特に貴重な体験です。
あと射撃場ってやっぱりその道の人が集まる場所なので、一緒に受けた人や同日居合わせた方に銃の事や猟友会について聞いたり、色々と情報を集める事ができます。

②メガネはやりづらい
コンタクトレンズが有る方なら絶対コンタクトの方が良いです。
射撃の際に構えると、目線は少し上目遣いになります。
そうするとクレーが発射される辺りか、或いはクレーが飛んでいく方向にメガネの上のフチがくるので、凄い邪魔でした。毎回メガネを手で押し上げて視界を確保していました。

③筋肉痛がやばい
上でも少し書きましたが長時間銃を構えていたり、打つたびに機関部を解放して弾を出したり装填したり、なんせ銃が重いのです。繰り返しやる事で上半身への負担は大きいです。
無駄な力も沢山使っていると思われますが180cmの男でもしんどいと思ったので、小柄な女性だと最初は結構キツイはず。
他の人のブログ等では「銃の反動で腕や胸が赤く腫れた…」と言った情報もありましたが、私はそのような事は無かったです。とにかく筋肉痛です。

おまけ①:銃を選ぶ

教習を終えたその足で3人揃って銃砲店へ。
購入したい銃を選びます。

正直何がどう違うのかさっぱり分からないので、希望条件として
①シカ、イノシシ(いわゆる四つ足)を狙いたい
②とにかく軽いやつがいい
③中古で14~15万円くらいが希望価格

という事を伝え、お店の方に選んで頂いた銃で即決しました。

選んだ銃の詳細は所持許可申請が下りたらちゃんと紹介したいと思います。
まだ購入できることが決まったわけではありませんので。
お値段は22万円(税込み)という事で、希望価格14~15万円に対して絶妙に上を提案してくるあたり、あくまで商売なんだなーと言う感じです(笑)

正午ごろにお邪魔したので、
お昼ご飯の間に「譲渡承諾書」と「所持許可申請書」を作成頂き、お店を後にしました。
この後は所持許可申請をして、また色々と尋問を受けたりした後に所持許可を頂ければ無事に完了となります。

狩猟免許も含めたトータルで見ると、全体の8割か9割くらいは行けたんでしょうか。
狩猟免許取得を考え始めて申し込んだのが今年(2023年)1月で今が11月なので10ヶ月。
スタートラインに立つまでが長い!そして金がかかる!

おまけ②:猟友会の勧誘を受ける

教習を終えて銃砲店で銃を選んでいるときに、
とある猟友会に所属している方が銃のメンテナンスで偶然居合わせて色々と話を伺いました。
その方は森町というエリアを中心に活動されていて、所属されている猟友会ではシカやイノシシを積極的に狩られているそう。
私がシカイノシシを主に狙いたいことを知って、「興味があれば是非」という事でLINEを求められて交換してしまいました。

今から所持許可申請をして無事に通っても銃を持てるのは年末ごろ、
23年度の猟期は半分近く過ぎてしまうので猟を始めるのは24年度の秋からかな~と思っているのと、私の家から森町はちょっと遠いので頻繁に行くとなるとしんどなーと言うのが正直な所。

猟友会に加わるまで1年近く時間がありますし、頻繁に所属を変えるのは難しいみたいなので、
所持許可が下りたら色々と調べて考えたいと思いますが、猟友会の生の情報ってネット上に少ないので困っています。
わな猟も必要になりそうだから、わな猟の講習会に行って可能な範囲で聞いてみるのもありかな。
次回は所持許可が下りたらまた狩猟ネタ更新します!

狩猟関係の過去の時期も貼っておきますので、もしよろしければご覧ください。

ハンターへの道① 狩猟免許取得 in静岡県
こんにちは!yattyuです。この度、23年2月に開催された狩猟免許の試験を受けてきました。狩猟免許は4種類あって、その中の「第一種銃猟免許」というやつです。結果としては無事に合格することができました。 合格時に貰える狩猟免状 狩猟免許に関...
ハンターへの道② 猟銃等講習会(初心者)
こんにちは、yattyuです。この記事では私が受講した猟銃等講習会の様子と考査のちょっとしたコツなんかも紹介します。 銃猟を目指したきっかけ ハンターへの道というのは2023年のお正月休みに暇すぎて、「狩猟でもやろうかな」と思い立ったのが始...



2024.1.6 更新
続編となる所持許可編をUPしましたので、よろしければご覧ください。

ハンターへの道⑤ 猟銃所持許可編
こんにちは、yattyuです。登山をきっかけに狩猟に興味を持ち、狩猟をやろうと考え始めたのが2023年1月。そしてこの記事を書いているのは2024年1月。途中、講習会での考査に落ちたり、台風直撃など諸々ハードルがありつつも、やっと猟銃を持つ...

コメント

  1. kei より:

    私も静岡在住で大物猟をしたくて今年から行動してハンターへの道を参考に教習資格認定待ちまでこぎつけたのですが、常に私の一歩先を行かれているのでハンターへの道の更新をいつも楽しみにしてます。

    • yattyu より:

      この度はコメント頂きありがとうございます。
      概ね拙い内容のブログではありますが、ほんの少しでもお役に立てれば幸いです。
      お金かかるし長い道のりですが、まずはハンターデビューを目指して地道に頑張っていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました